あがり症克服体験談

あがり症、対人恐怖症、赤面恐怖症、多汗症、視線恐怖症を乗り越えた男

あがり症専門のカウンセリング

病院や薬では根本的な解決ができないと判断した私が次に向かったのは、あがり症を専門にしているカウンセリングです。

カウンセリングルームには、たくさん行きました。
カウンセリングは話を聞いてもらえるので、自分がどういう状態なのか、どういう気持ちなのかを見つめることができて良かったです。

しかしその一方で、カウンセリングというのはカウンセラーの力量で大きく差が出ると思います。
また、カウンセラーとの相性の問題というのもあると思います。


私が最初に行ったカウンセリングルームは、40歳前後と思われる女性のカウンセラーの先生でした。
とても優しい雰囲気で話を聞いてくれるので、居心地は良かったです。

しかし、通いはじめて3回目の時、私が職場でのつらい話をしたら、その先生はだんだん涙目になり動揺している様子でした。
もしかしたら、私の話を聞くのがつらくなってしまったのかもしれません。
そんな様子を見ていると、こちらもそれ以上深くお話しできなくなってしまいました。

結局、お金を払ってまで、こちらがカウンセラーの先生に対して気を使うのも変だと思ったので、それ以降そこに通うことをやめました。


次に行ったカウンセリングルームは、60代位の年配の男性カウンセラーでした。

面談が始まるなり、企業の相談室に長くいたとか、今までこんな仕事をしてきたとか、自分はこんな信念を持っているとか、そんなカウンセラーの自己紹介を30分ほど聞かされました。
結局、60分のカウンセリングのうち、私が自分の話をできたのは半分以下。

しかも、こちらが話しても、すぐに話を遮って割って入ってきます。
人の話を最後まで聞かないで、こちらの話の内容を勝手に推測して口を挟んでくるのです。
「もうこの人に話しても無駄だな」という気持ちになりました。

お金を払う時、これほど虚しく思ったことはありませんでした。
そこへは1回限りで二度と行きませんでした。


カウンセラーは人の話を聞く職業だと思うのですけど、色んなカウンセリングルームへ行きましたが、人の話を聞かないカウンセラーが実に多いこと。
そもそも人間性に問題があるのではないか、と疑いたくなるようなカウンセラーもいました。
実に多くの時間とお金を無駄にしました。


そんな感じで色々渡り歩き、最終的に行きついたのは、あがり症専門を謳う都内のカウンセリングルームです。
そこのカウンセラーの先生は、40代後半位と思われる男性でした。

そのカウンセラーの先生に対する初対面の印象は、「真面目そうな人だな」という程度で、ごく普通の印象でした。
ところが、話をしていくうちにカウンセラーの先生の深い優しさが感じられ、私も自然と話をすることができました。

そして、どんどん話が進んでいくにつれて、気づくと私は涙を流していました。
今までいろんな人に話を聞いてもらったけど、ここまで自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じたのは初めての経験でした。
両親を含めて、身近な人との間でも感じたことがなかった不思議な感覚で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

初回は話を聞いてもらって終了しましたが、ずっと心の中にあった重しが軽くなった感じがしました。
土砂降りの雨の中での帰り道でしたが、足取りが軽くなったのを今でも体の感覚として覚えています。

ここでなら自分のことを理解してもらえると確信した私は、帰宅してからすぐに2回目の面接を予約しました。


2回目の面談も、自分の話をたくさんしました。
実はこのブログで書いた子供の頃のトラウマも、このカウンセリングを通して気づくことができたのです。

それまでは、過去のつらい体験は自分の中で無意識のうちに封印していたのか、自分の記憶として全く残っていなかったのです。
それが安心できるカウンセラーの先生のもとで、その封印が解かれたのだと思います。
次から次へと芋づる式に過去の体験が思い出され、話すことができました。

そして、過去の体験を話すことで、自分のことが分かってくる感じがして、自分自身を見つめることができてきたように思います。

結局は、中学1年生の時の失敗体験がきっかけに、失敗体験を積み重ねながら自分に自信を持てないまま大人になってしまっていたのだと思います。
その積み重ねてきた失敗体験を解きほぐしながら、カウンセラーの先生と一緒に学び直すという感じで毎回カウンセリングが続いていきました。

カウンセラーの先生と一緒に無理のない形で目標を設定して、それをひとつひとつ達成していくという感じです。
カウンセラーの先生のきめ細やかな配慮もあって、毎回楽しく面談が進んでいき、少しずつ自信がついてきている自分を実感できました。

そして、徐々に自分に自信が持てるようになってくると、それまではぼんやりとしていた自分の意志がはっきりとしてきたように思います。
この先、自分がどういう道を歩んでいきたいのかが見えてきた感じです。
それとともに、この先の人生に希望が持てるようになってきました。

カウンセリングでも、以前は過去の話ばかりしていたのに、段々と将来のことも話すようになってきました。
カウンセラーの先生は、そんな将来についての話もいつも温かく聞いてくれました。

不思議なもので、いつの間にか表情や態度にも気持ちの変化が出てくるようです。
両親から「表情が明るくなってきたね」と言われるようになりました。
職場でも、朝礼や会議などで発言を求められた時、顔が赤くなることも、汗が出ることも、手や声が震えることもなくなり、相手の目を見て話すことができるようになりました。

そこのカウンセリングルームに8回通ったところで、カウンセラーの先生にそんな話をして、あがり症の症状がなくなったことを確認してカウンセリングを終了することにしました。

あがり症を一緒に乗り越えてきた、いわば戦友のようなカウンセラーの先生とお別れするのは寂しかったですが、「これからは自立して頑張っていきます」と宣言してカウンセリングルームを出ました。

と宣言したものの、あがり症以外の別の悩みで、その後またそのカウンセラーの先生にカウンセリングをお願いしましたけれど(笑)。

結局、あがり症を克服するためには、自分に合った方法でないとうまくいかないのだと思います。
誰にでも当てはまる共通した克服法はないのだと思います。

カウンセラーの先生が口癖のように言ってましたが、「あがり症の人が10人いれば、10人みんな違う」のです。
カウンセラーの先生が、私に合ったカスタムメイドのカウンセリングをしてくれたおかげで、あがり症を克服できたのだと思います。

カウンセリングルームに行く場合も、病院や診療所に行く場合も、自分に合ったカスタムメイドの対応をしてくれるかどうかが根本的なあがり症克服につながると思っています。

追記

私が最終的に通ったカウンセリングルームについてお知りになりたいというコメントがあったので、リンクを貼っておきます。

文京カウンセリング(東京都文京区の専門カウンセリング)

私から紹介等はしませんので、直接問い合わせてください。